Macで作ったZIPファイルをWindowsユーザーに送ったら、「ファイル名が文字化けして開けない」と言われた経験はありませんか?
このトラブル、実はMacとWindowsの“文字コードの違い”が原因です。
仕事や学校、地域団体など、異なるOSを使う相手とファイルをやり取りする機会はよくあります。
しかしZIPファイルに関しては、Macの標準機能で圧縮しただけでは、Windowsで正しく開けないことがあります。
特にファイル名やフォルダ名に日本語が含まれていると、文字化けが発生しやすくなります。
本記事では、次のような内容をわかりやすく解説していきます。
- なぜMacのZIPがWindowsで文字化けするのか
- Macで文字化けしないZIPファイルを作る方法
- Windowsで作られたZIPファイルをMacで正しく開く方法
- ファイル送信時に便利な無料サービスの活用法
この記事を読めば、もうZIPファイルの文字化けで困ることはなくなります。
大切なファイルを正しく届けるために、ぜひ最後までご覧ください。
なぜMacのZIPはWindowsで文字化けするのか
ZIPファイルが文字化けする原因は、MacとWindowsで使われている文字コードが異なることにあります。
文字コードとは?
文字コードとは、コンピューターが文字(例:「あ」「A」「1」など)を内部で扱うための数値のルールです。
OSによって採用している文字コードが違うことがあります。
| OS | 主に使われる文字コード |
|---|---|
| macOS | UTF-8 |
| Windows | Shift_JIS(シフトJIS) |
MacでZIPファイルを作ると、ファイル名がUTF-8で記録されます。
一方、Windowsは主にShift_JISを使ってファイル名を扱います。
この違いが原因で、Windows側で文字が正しく解釈できず、文字化けが発生してしまいます。
Finderで圧縮したZIPが問題になる理由
Macで右クリック →「"〇〇"を圧縮」で作成されるZIPファイルは、UTF-8でファイル名が保存されます。
これをWindowsに送ると、次のような問題が起きることがあります。
- ファイル名が「□□□.txt」のように文字化けしている
- フォルダ構成が崩れている
- ZIPを開くとエラーが出てしまう
特に以下の条件に当てはまると、文字化けしやすくなります。
- ファイル名やフォルダ名に日本語が含まれている
- ZIP内にサブフォルダや階層構造が含まれている
- Windows側で古い解凍ソフトを使っている
Macで文字化けしないZIPを作る方法
Windowsユーザーに文字化けしないZIPファイルを送るには、Finderの「圧縮」機能以外の方法を使うのが効果的です。
ここでは3つの実践的な方法を紹介します。
ターミナルで文字化けしないZIPを作る
macOSのターミナルを使えば、UTF-8のメタ情報を省き、Windowsでも読めるZIPを作成できます。
以下はその基本的な手順です。
圧縮コマンド(例)
cd "/Users/ユーザー名/Desktop/送信するフォルダの親ディレクトリ"
zip -r -X "送信ファイル.zip" "送信するフォルダ名" -x "*/.DS_Store" -x "__MACOSX/*"-r:フォルダを再帰的に圧縮します-X:Mac独自のメタデータを除外(これが重要)-x:不要な隠しファイル(.DS_Storeや__MACOSX)を除外
この方法では、パス情報が相対的に記録され、不要なMac専用情報が入らないため、Windows側で文字化けやエラーが起きにくくなります。
Kekaを使ってZIPを作成する(初心者向け)
ターミナルは苦手、という方には、無料のGUIアプリ「Keka」がおすすめです。
Kekaの特徴
- macOS用の無料圧縮・解凍ツール
- 日本語ファイル名やフォルダ名を含むZIPでも、Windowsと互換性が高い
- 「Windows互換」の設定が用意されているため安心
Kekaの使い方(圧縮)
- 公式サイトからKekaをインストール
- アプリを開き、圧縮形式で「ZIP」を選択
- オプションで「Windows互換モード」にチェックを入れる
- 対象フォルダをドラッグ&ドロップで圧縮
これだけで、Windowsで文字化けしないZIPファイルが作成できます。
ZIPを送るときはギガファイル便を活用
圧縮したZIPファイルは、メール添付ではなくオンライン転送サービスを使うと安全で確実です。
おすすめは日本語対応のギガファイル便です。
ギガファイル便のメリット
- 無料で使える
- 容量は無制限(1ファイル300GBまで)
- 日本語ファイル名でも文字化けしにくい
- ダウンロードURLを相手に送るだけ
送信時の注意点
- ファイル名にスペースや記号、日本語を避けるとより安全
- 有効期限やパスワードの設定も可能(必要に応じて)

WindowsからのZIPをMacで正しく開く方法
Macから送るときだけでなく、Windowsから受け取ったZIPファイルをMacで開くと文字化けするというケースもあります。
これは、Windowsが使用しているShift_JISという文字コードに、macOSの標準解凍機能(Finder)が対応していないために起こります。
Finderで解凍すると文字化けする理由
Windowsでは、ファイル名をShift_JISでZIPに記録します。
しかし、macOSのFinderでそのZIPを開こうとすると、文字コードを正しく読み取れず、以下のような症状が出ます。
- ファイル名が「â•�â–¼.txt」のように化ける
- フォルダ名がすべて記号に変わる
- 解凍はできるが、ファイルが判別不能
この問題を避けるには、Shift_JISに対応した解凍ツールを使う必要があります。
The UnarchiverやKekaを使う
以下のツールは、Shift_JISに対応しており、WindowsのZIPでも文字化けせずに解凍できます。
The Unarchiver
- App Store版はこちら
- 完全無料で、ほぼすべての圧縮形式に対応
- 一度設定すれば、ZIPをダブルクリックするだけで解凍可能

- The Unarchiverを起動
- 「環境設定」→「アーカイブ形式」でZIPにチェック
- 「詳細」タブで文字コード設定を「自動」または「Shift_JIS」に
Keka
Kekaは圧縮だけでなく、解凍時にも文字コードを自動判別してくれます。
- Windowsから送られたZIPも、そのままドラッグ&ドロップで解凍可能
- 特に複雑な設定は不要
どちらを使うべき?
| 比較項目 | The Unarchiver | Keka |
|---|---|---|
| 操作の簡単さ | ◎(ダブルクリック) | ○(ドラッグ&ドロップ) |
| 圧縮機能 | ×(なし) | ◎(対応) |
| 文字コードの検出 | 手動設定可能 | 自動判別 |
解凍専用ならThe Unarchiver、圧縮と両方使いたいならKekaがおすすめです。
まとめ
MacとWindowsでZIPファイルをやり取りする際に起きる文字化けは、OSごとの文字コードの違いが原因です。
特にファイル名やフォルダ名に日本語が含まれていると、Windows側で文字化けして読めなくなることがあります。
このトラブルを防ぐには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
1. ZIPの作成方法を見直す
- Finderの圧縮ではなく、ターミナルで
zip -r -Xコマンドを使う - または、Kekaを使って「Windows互換ZIP」を作成する
2. 送信方法に注意する
- ZIPを送るときは、ギガファイル便などの信頼できるファイル転送サービスを活用する
- ファイル名を英数字で簡潔にすると、より安全
3. 受け取ったZIPを正しく開く
- Windowsから送られてきたZIPは、Finderではなく、The UnarchiverやKekaで解凍する
- Shift_JISに対応したツールを使えば、文字化けを防げる
たったこれだけの工夫で、ZIPファイルの文字化けトラブルはほぼ完全に防げます。
送り手も受け手もストレスなくファイルをやり取りできるよう、ぜひ今回紹介した方法を活用してください。



