- スマホとPCで動画を出し分けたい
- スマホとPCで読み込む動画を変更したい
- 必要な動画だけ読み込みたい
このような悩みに答えます。
この記事では、JavaScriptを活用してビデオソースを動的に出し分ける方法とその利点について詳しく解説します。
レスポンシブデザインのサポート、ブラウザの互換性、パフォーマンスの最適化など、ウェブサイトのビデオ統合に関する一般的な悩みを解決するための具体的な手法を学ぶことができます。
この記事を読んで学んだことを実践に移せば、異なるデバイスやブラウザで効果的に動作するレスポンシブなビデオコンテンツをウェブサイトに統合する方法を身につけることができます。
この記事を書いた人
すずき
フリーランスでwebデザイナーをしています。
デザインからコーディング、運用まで幅広く対応しています。
3年間で50件以上のサイトをコーディングしてきました。
JavaScriptとビデオ読み込みの最適化
ウェブページにビデオを組み込む際の読み込み速度は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響します。
特にビデオはファイルサイズが大きいため、効率的な読み込み方法が必要です。
JavaScriptを使ったビデオソースの動的管理は、この問題に対する効果的な解決策を提供します。
ビデオソースをJavaScriptで動的に出し分けることで、異なるデバイスやネットワーク条件に適したビデオを提供できます。
小さい画面や低帯域幅では、小さなファイルサイズのビデオを選ぶことで、読み込み時間を短縮できます。
また、ビデオが必要になるまで読み込みを遅延させる「遅延読み込み」や、ページの他の要素が読み込まれた後にビデオを読み込むように制御することも可能です。
これらの戦略により、JavaScriptはページ全体のパフォーマンスを向上させ、ユーザーに快適な体験を提供する重要なツールとなります。
実装デモ:レスポンシブなビデオの動的切り替え
この実装デモでは、レスポンシブなウェブデザインにおいて、異なるデバイスサイズに対応したビデオソースの動的切り替えを行います。
ここでの重要な点は、ビデオファイルの命名規則です。ファイル名は_pc
、_sp
の接尾辞を除いて同じにします。
例えば、video_name_pc.mp4
とvideo_name_sp.mp4
の場合、基本となるファイル名video_name
は共通です。
HTMLコード
HTMLでは、<video>
タグを使用してビデオを表示し、data-src
属性で基本ファイル名を指定します。
<video class="video" data-src="path/to/video_name"></video>
このコードでは、ビデオプレーヤーに基本ファイルパスが設定されています。
ビデオソースはJavaScriptを通じて動的に切り替えられます。
JavaScriptコード
JavaScriptでは、画面サイズに基づいてビデオソースを切り替えます。
以下のスクリプトは、ウィンドウサイズに応じて適切なビデオソースを読み込みます。
document.addEventListener("DOMContentLoaded", function () {
// ページ内の全てのビデオ要素を取得
const videos = document.querySelectorAll(".video");
function updateVideoSource(video, baseSrc) {
// 現在のウィンドウサイズに基づいて接尾辞を選択
const suffix = window.innerWidth <= 768 ? "_sp" : "_pc";
const sourceMP4 = document.createElement("source");
// 新しいソースファイルのパスを設定
sourceMP4.setAttribute("src", baseSrc + suffix + ".mp4");
sourceMP4.setAttribute("type", "video/mp4");
// 既存のビデオソースをクリアし、新しいソースを追加
video.innerHTML = "";
video.appendChild(sourceMP4);
}
// 初期ロード時に全てのビデオソースを更新
videos.forEach((video) => {
const baseSrc = video.getAttribute("data-src");
updateVideoSource(video, baseSrc);
});
// ウィンドウの横幅が変更されたときにのみビデオソースを更新
window.addEventListener("resize", function () {
const newSize = window.innerWidth;
if (currentSize !== newSize) {
currentSize = newSize;
videos.forEach((video) => {
const baseSrc = video.getAttribute("data-src");
updateVideoSource(video, baseSrc);
});
}
});
});
このスクリプトは、ビデオ要素のdata-src
属性から基本ファイル名を取得し、デバイスサイズに応じて適切な接尾辞(_pc
または_sp
)を追加してビデオソースを更新します。
レスポンシブビデオの動的切り替えの詳細解説
HTMLコードの解説
HTMLの部分では、<video>
タグを使用してビデオプレーヤーをページに組み込みます。class="video"
は、後のJavaScriptでこのビデオを簡単に特定するために使用されます。data-src
属性は、ビデオファイルのベースとなるパスを指定するために使用され、実際のファイル名はJavaScriptによって後から追加されます。
JavaScriptコードの解説
JavaScriptは、画面サイズに基づいてビデオソースを適切に切り替える役割を果たします。DOMContentLoaded
イベントは、ページが完全にロードされた後にスクリプトを実行するために使用されます。updateVideoSource
関数は、与えられたビデオ要素のソースを更新します。
画面サイズが768ピクセル以下の場合はモバイル用のビデオ(_sp
)、それ以上の場合はPC用のビデオ(_pc
)を読み込みます。
ウィンドウのresize
イベントリスナーは、画面サイズが変更されたときにビデオソースを再度更新するために使用されます。
注意点
- ファイル命名の一貫性:ビデオファイルの命名は一貫性を持たせることが重要です。基本となるファイル名は変更せず、画面サイズに応じて接尾辞だけを変更します。
- パフォーマンスの最適化:ビデオファイルは比較的大きなリソースであるため、ページのロード時間に影響を与える可能性があります。特にモバイルデバイスでは、データ使用量とロード時間を考慮する必要があります。
- アクセシビリティの確保:すべてのユーザーがビデオコンテンツにアクセスできるようにするために、字幕や音声解説などのアクセシビリティ対応を行うことが望ましいです。
この実装手法により、異なるデバイスや画面サイズに応じた効果的で効率的なビデオコンテンツの提供が可能になります。
ビデオの動的なソース切り替えは、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与し、レスポンシブなウェブデザインの重要な要素となります。
レスポンシブでwebm対応のビデオ実装
ウェブサイトにおけるビデオコンテンツは、異なるデバイスやブラウザで最適に表示されるべきです。
これには、レスポンシブなデザインと複数のビデオフォーマット(特にmp4
とwebm
)のサポートが必要です。
HTMLコードの構築
HTMLの構造では、<video>
タグを使用してビデオを表示し、data-src
属性でビデオファイルのベースパスを指定します。
<video class="video" data-src="path/to/video_name"></video>
このコードは、ビデオプレーヤーに基本パスを設定し、具体的なビデオソースはJavaScriptで動的に追加されます。
JavaScriptコードの適用
JavaScriptを使用して、異なるフォーマットのビデオソースを動的に読み込みます。このスクリプトは、画面サイズとブラウザの対応性に基づいて最適なフォーマットを選択します。
document.addEventListener("DOMContentLoaded", function () {
const videos = document.querySelectorAll(".video");
function updateVideoSources(video, baseSrc) {
const isMobile = window.innerWidth <= 768;
const suffix = isMobile ? "_sp" : "_pc";
const sourceMP4 = createSourceElement(baseSrc + suffix + ".mp4", "video/mp4");
const sourceWebM = createSourceElement(baseSrc + suffix + ".webm", "video/webm");
video.innerHTML = "";
video.appendChild(sourceWebM);
video.appendChild(sourceMP4);
}
function createSourceElement(src, type) {
const source = document.createElement("source");
source.setAttribute("src", src);
source.setAttribute("type", type);
return source;
}
videos.forEach((video) => {
const baseSrc = video.getAttribute("data-src");
updateVideoSources(video, baseSrc);
});
// ウィンドウの横幅が変更されたときにのみビデオソースを更新
window.addEventListener("resize", function () {
const newSize = window.innerWidth;
if (currentSize !== newSize) {
currentSize = newSize;
videos.forEach((video) => {
const baseSrc = video.getAttribute("data-src");
updateVideoSource(video, baseSrc);
});
}
});
});
このスクリプトでは、createSourceElement
関数を使用してmp4
とwebm
フォーマットのソース要素を生成し、ビデオ要素に追加します。画面サイズに応じて適切なファイル(モバイル用またはPC用)を選択します。
注意点
- ブラウザの互換性:異なるブラウザではビデオフォーマットのサポートが異なる場合があります。
webm
は特にGoogle ChromeやFirefoxで好まれますが、全てのブラウザがこれをサポートしているわけではありません。そのため、mp4
とwebm
の両方を提供することが重要です。 - ファイルサイズと読み込み時間:ビデオファイルは通常、ウェブページのサイズを大きくするため、特にモバイルデバイスでの読み込み時間に影響を与える可能性があります。ビデオの圧縮や適切なフォーマットの選択が重要です。
- レスポンシブデザイン:異なるデバイスでのビューを考慮して、ビデオプレーヤーが適切に表示されるようにするために、CSSを適切に設定することが重要です。
このようにして、異なるデバイスとブラウザでビデオコンテンツを最適に表示するための実装を行うことができます。レスポンシブなデザインと複数のフォーマット対応は、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。
画像のwebp
出し分け方法は以下の記事で解説しています。
画像も適切に出し分けることで、さらにサイトのパフォーマンスが向上します。
まとめ
この記事では、JavaScriptを利用してウェブページのビデオソースを動的に管理する方法とその利点について詳しく解説しました。ここで学んだポイントを簡潔にまとめてみましょう。
- レスポンシブなビデオ表示:JavaScriptを使用してビデオソースを動的に切り替えることで、異なるデバイスや画面サイズに最適なビデオを提供できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、特にモバイルデバイスでの閲覧が快適になります。
- 読み込み速度の最適化:ビデオの遅延読み込み(Lazy Loading)や事前読み込みの制御を通じて、ページの読み込み時間を短縮し、全体のパフォーマンスを向上させます。これは、特に大きなファイルサイズを持つビデオコンテンツにおいて重要です。
- 互換性とアクセシビリティの向上:異なるブラウザやデバイスに対応するために、複数のビデオフォーマット(mp4、webmなど)をサポートすることが可能になります。これにより、より多くのユーザーがビデオコンテンツにアクセスできるようになります。
- 保守性と拡張性の向上:コードの中央管理を通じて、将来的な更新や変更が容易になり、エラーのリスクを減少させることができます。これにより、開発者の作業負担が軽減されます。
この記事で学んだ知識を活用することで、ウェブサイトのビデオコンテンツをより効果的に管理し、ユーザーに最高のウェブ体験を提供することが可能になります。
動的なビデオ管理は、現代のウェブ開発において重要な要素であり、これをマスターすることはあらゆるウェブ開発者にとって価値のあるスキルです。